ニードルパンチの指人形の作り方

作り手:湯浅徳子

絹、木綿、麻、化学繊維など、本来は羊毛のように絡まらない繊維を、針先に楔の刻まれたニードル針を上下に刺して、繊維をひっかけ、絡ませて作る不織布。19世紀にヨーロッパで考案されたこの技法を元にして、羊毛を素材とした立体造形が日本でも流行しました。細かな部分まで作り込んでいけるのが特徴です。ここでは、ウサギの指人形の作り方をご紹介します。

①人形の胴を作ります。3gほど羊毛を用意しましょう。

②指にくるくる巻きつけます。

③ニードル針でさくさく刺します。この時、自分の指を刺さないよう気をつけましょう。

④筒状になるように形を整えていきます。

⑤裏返して、また刺していきます。表と裏、2~3回繰り返して刺し、指が入る程度の筒状を作ります。

⑥人形の頭を作ります。頭用の羊毛を3gほど用意し、丸めていきます。

⑦玉状にして、③と同じようにニードル針でさくさく刺し、まとめていきます。

⑧胴と頭をドッキングさせます。

⑨筒の内側からも針を刺します。

⑩耳を作ります。ここではウサギの耳を作るので、左右各1gずつ、羊毛を用意します。

⑪4つに折りたたんで、三角の角ができたら、伸ばして、耳らしい形を作ります。

⑫胴と同じように針を刺して、耳の形を作っていきます。根元(頭に付ける部分)は針を刺さず、ふわふわのまま残しておきます。

⑬胴と頭、耳2つ。それぞれパーツができました。

⑭耳を付ける場所を決めます。

⑮耳を頭に針で刺して付けます。

⑯全体の形を見てみましょう。気に入らなければ、また剥がして付け直すことができます。

⑰目・鼻・口・耳の色みを付けます。目・鼻・口に赤色の、耳にピンク色の羊毛を準備します。カラーの羊毛を混ぜれば、自分好みの色を作ることができます。ここでは耳用のピンク色が欲しかったので、白と赤の羊毛を指で混ぜ合わせました。耳に使うだけなので、ほんのちょっぴりの羊毛で十分です。

⑱ウサギの目を付けます。赤の羊毛を少しずつ針で刺して、埋め込んでいきます。

⑲目のできあがり。

⑳鼻と口も好きな形に刺しましょう。

㉑耳にはさっき混色したピンクの羊毛を刺します。

㉒かわいい指人形のできあがり!

子どもたちにも大人気のニードルパンチの指人形。もし、ほんの少し頬をピンクにしたかったら、お化粧用の頬紅を少しだけ付けてあげてもいいかもしれません。


ポイント

●ニードル針の先は楔型にギザギザになっているので、取り扱いには十分気を付けてください。羊毛を持っている手に手袋をして作業してもいいでしょう。
●羊毛から作るニードルパンチは、まるで彫刻のようにいろいろな造形が楽しめます。彩色も自由です。
●針金などで骨を入れれば、立ったり、動かしたりできる人形も作ることができます。(→『スピナッツ 69号』土谷さんの人形)
●木や金属、石膏よりも作業が楽で素材が軽いのもポイント。一度付けた羊毛でも、剥がせばやり直しができます。

子どもたちだけでなく、大人でも楽しめる、とてもクリエイティヴな素材です。羊毛とニードル針があればすぐにできる、人形作りを楽しんでみませんか?

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