国産羊毛コンテスト 販売フリース
国産羊毛コンテスト”Fleece of the Year 2019”入賞フリースの結果報告
日本家畜貿易株式会社が金。(株)雪印こどもの国牧場、ひつじみかん牧場が銀、いずれも健康優良の羊。FLYING SHEEPの真っ黒が銀。Bee’s FarmとEPO FARMの銅は、色と個性で勝負。そして有限会社ヨークシャーファームが羊にカバーをかけて、果敢に挑戦しました。
9回目をむかえる「国産羊毛コンテスト」、今年はなんと52フリースのエントリーがありました。初エントリーも8牧場! 上位約30フリースは実力伯仲。高得点にフリースが集中する大賑わいの結果となりました。まずは今年の入賞牧場をご紹介いたします。
国産羊毛コンテスト上位入賞一覧
● 金賞
日本家畜貿易株式会社/5番/テクセル/白
● 銀賞
(株)雪印こどもの国牧場/23番/コリデール系交雑種/白
FLYING SHEEP/36番/コリデール系×チェビオット系/黒
ひつじみかん牧場/47番/クープワス系交雑種/白
● 銅賞
Bee’s?Farm/30番/マンクスロフタン×コリデール/ダークグレー
EPO FARM/40番/サウスダウン系交雑種/ダークグレー
● 敢闘賞
有限会社ヨークシャーファーム/4番/サウスダウン×ポールドーセット/白
● 特別賞
保科農園/19番/ジェイコブ/ブチ
(有)愛知兄弟社 愛知牧場/45番/チェビオット×コリデール/白
さてリストをご覧になって、皆様が気になるのはグレードでしょう。その一番重要な判断基準は“洗ってどれくらい目減りするか”という「歩留り」です。しかし少々泥が付いていても、洗剤の量と温度を加減し、洗ってしまえば、実はグレード「0」と「1」は、毛質的には変わりません。そしてグレード「2」と「3」は、何か欠点があって、ひと手間余分にかかるということです。例えば毛先に藁ゴミが入っている場合、処理をするひと手間が増える訳ですが、毛先を洗う前に鋏で切ってしまえば、根元のピカピカのステイプルが残ります(ゴミや泥の多いところは堆肥に使えます)。そのひと手間さえいとわなければ、グレードの低いフリースは、とてもお買い得であるといえます。
今回の52フリース。どれも毛質の良い、魅力的なフリースが並んでいますので、選ぶのに迷うと思います。そんな時はまず“何を作りたいか”を考えて、毛のキャラクター「柔らかい」「弾力がある」「光沢がある」「白髪っぽい」で選んでください(毛のキャラクターは、「ポンタチャート」参照)。フリース一頭一頭に、羊飼いの愛が溢れています。今年も日本の羊との出合いを楽しんでください。
Wool Classer 本出ますみ
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