SPINNUTS 87号 ※在庫残り僅か

スピナッツ87号 
Sheep & Wool 羊毛のある暮らし

B5版、56ページ
1,430円(税込)
2014年1月20日発行

今回の表紙は、北海道三笠市奔別炭坑跡の変電所にて、造形作家の堀かをりさんに、羊のコートを着てもらいました。(→p30~p35)英国チェビオットとこの春毛刈りした国産羊毛をブレンドして、泉大津で糸にしてもらい、一宮で織り、バリのアトリエマニスさんの工房で仕立て、1枚のコートになりました。たくさんの職人さんの手を経て服は出来あがるのだという事を実感しました。そして撮影した時、廃坑跡という時が凝縮されたような地面の「記憶」、服の持つ「空気」、そして着る人の「スピリット」が呼応する不思議な経験をしました。服は人が着ることによって命が吹き込まれる。作る人と着る人に恵まれた「羊のコート」です。

絹の道は 羊の道

ローマからトルコ・イスタンブールを経て、ユーラシア大陸を横断し、はるか奈良・正倉院まで。その東西一万余キロに及ぶ陸海交易の道をシルクロードと名付けたのはドイツの地理学者と言われている。この西洋と東洋を繋ぐ道は、紀元前2世紀、中国の使節であった張騫がユーラシア大陸を西に向かったころから始まったとされているが、近年それよりさらに数世紀早いと思われる発見が続出している。歴史書に残るはるか以前より、人も羊も西に東に、往き来していた。

特集 一技一生 日本の絹の現場 2013
福知山/養蚕、岡谷/製糸、京都西陣/合わせ撚糸、糊付け、本撚り撚糸、絣括り、京都丹後与謝野町/製織

「2014年、工場職人共々移転、岡谷に“蚕糸博物館”が開館する」宮坂昭彦/「今ならまだ職人さんに技術を伝承してもらうことはできる」下村輝/「正倉院の錦は 大部分が国産と考えられている」尾形充彦

連載 吉谷美世子
変奏曲・Variation 色と素材の組み合わせで楽しむ 布フェルトのサンプルマフラー

布フェルトを作る時の悩み…それは石鹸(弱アルカリ性)で擦ることによって、酸性染料で染めた布等から色が滲み出てくることが多いことでした。今回は、反応染料(助剤にアルカリ薬品を使った場合)で染めた絹布を使うことによって、羊毛と布の色の重なりが、とてもきれいに出来上がりました。


  • 手紡ぎの風景86 本出ますみ「種は雨を待っている」
  • 「絹の道は 羊の道」中国 敦煌の羊飼い
  • 特集 「一技一生」日本の絹の現場
  • 連載 OMON CHANのページ un peu18 出会い
  • 羊のコート 北海道奔別炭杭跡にて
  • 連載 庭木の恵み17 石田紀佳 ガマズミ
  • フィンランドの子共の手袋 Rutsuko Sakata
  • 連載 チリ交春秋 18 岩井和一郎「思い込み」
  • 連載 冬の布フェルト 変奏曲・Variation 吉谷美世子
  • INFORMATION
  • おしまいに おもちゃ箱

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