モヘヤの話

モヘヤとはトルコ原産のアンゴラ ゴート(山羊)の毛を指します。螺旋状にカールした光沢のある毛質で、仔山羊の頃と大人になってからの毛質が大きく異なり太くなるため、仔山羊の毛を特に「キッド モヘヤ」と呼びます。キッド モヘヤはニットにできるくらい細い(コリデールくらいの中番手)のですが、大人になるとリンカーンくらいの敷物用の太番手になります。

紡ぐ場合、モヘヤを100%で使うと糸の膨らみが欠け重たくなるので、羊毛をブレンドした方が軽く膨らみのある糸にできます。コリデールからロムニーくらいの毛番手のものを混ぜるのがおすすめです。
フェルトにはしっかり絡みません。どうしても使いたいときには、メリノを70%くらいブレンドすればよいでしょう。
少ない量でもモヘヤは十分モヘヤらしい特徴―光沢とファンシーさ―は出てくるので、自分の好みのブレンドを試してみてください。

祐子さん作のモヘヤのバッグ。

モヘヤといえば、近年アートヤーンには欠かせない素材になりました。その光沢とファンシーさから、ブレンドする相手を華やかに引き立てます。

また、モヘヤの特徴の一つが、触ったときの冷感です。メリノにモヘヤをブレンドすれば、冷感とハリを併せもつ、薄手の夏物の服地「サマー ウーステッド」を作ることができます。高級紳士服地として揺るがぬポジションを築いています。

この冷感を利用すれば、キッドモヘヤは春夏物のストールなどに応用できるのではないでしょうか。手紡ぎの場合、キッドモヘヤとブレンドしやすいのは、コリデールやロムニーの細番手などです。一度挑戦してみてください。

関連記事一覧