羊の毛からフェルトを作る

羊毛はタンパク質でできていて、表面はウロコ状スケール(キューティクル)で覆われています。湿気や熱を加えたり、pH(酸性・アルカリ性)を変えたりすると、スケールが開いたり閉じたりします。このとき、水分と同時に圧力や摩擦を加えると、スケール同士がフックのように噛み合って、繊維が絡んでいきます。このように羊毛のスケールが開閉することを利用して作るのがフェルトです。ここでは基本の鍋敷きの作り方をご紹介します。

作り手:湯浅徳子

①梱包用エアーキャップのデコボコ面に油性マジックでできあがりの形を描きます。デコボコ面を下にして、その上に文様に使う羊毛を形を整えて置きます。文様が崩れないように気をつけながら、ベース用の羊毛を敷き詰めていきます。1段目は繊維の方向がタテになるように置きましょう。

②2段目の羊毛は繊維がヨコ方向になるように置いていきます。3段目以降も同じように、繊維の方向がタテ→ヨコ→タテ→ヨコになるように重ねます。好みの厚さになるように、重ねる枚数を偶数段で変えます。

③一番上にもう一度、文様に使う羊毛を置き、湯で薄めた石けん水をかけます。

④手で空気を抜いていき、シートに描いたマジックの線に沿って羊毛の端を整え、手でやさしく摩擦していきます。ある程度フェルト化してきたら揉んだり、棒を巻き込んで転がしてもよいでしょう。表・裏と何度も棒を蒔き直し、方向を変えながら摩擦します。

⑤しっかりフェルト化したら、引っ張っても繊維がほとんど浮いてこなくなります。ぬるま湯ですすいで形を整え、乾かしたら完成です。

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